3DSとは、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システムの略です。歯槽膿漏(歯周病)の治療後に定期的に行うスケーリング、ルートプレーニングといった機械的清掃に比べて、抗菌療法を併用することで、局所に残存する微量な抗原や、時間経過とともに増殖してくる浮遊細菌、マイクロコロニー、バイオフィルムなどを収束させ、消炎治療が大幅に促進することが出来るという治療方法です。抗菌によって、リポポリサッカライドをはじめとする抗原、組織障害の酵素などが除去・減量することが出来るのです。しっかりと抗菌することで、歯周病菌が原因で起こる全身疾患にかかるリスクも抑えることが出来るというメリットがあります。もちろん、通常の歯石除去やスケーリングといった治療も行いますが、3DSを併用することによってより歯槽膿漏(歯周病)の再発リスクを低くすることが出来るのです。
専用のマウスピースを使用して、歯茎に染み込ませて作用する期間を長くさせます。3DSを行う場合は、事前に歯石を除去するだけでなく、口腔内の細菌検査を行い、3DSが適切かどうかを調べます。口腔内の残存している菌に合わせた薬を使用します。マウスピースは、既成のものではなく、型を取って製作したものを使用します。
歯医者(歯科)で5分間歯茎に薬を染み込ませた後は、1週間家庭でもケアを行います。家庭で薬を使用するタイミングは、歯磨きの後や就寝前に5分程使用します。薬を使用した後は、薬の効果を最大限にするため、飲食はしばらくの間控えたいので就寝前に行います。使用後は、口の中をすすぎます。また、普段使用している歯ブラシは、細菌の感染を防ぐために新しいものに変えます。
ホームケアを1週間行った後、再度歯医者(歯科)で3DSの治療を行います。2か月程経ったら、再度口腔内の細菌検査を行い、3DSの効果を調べます。検査の結果によって、再度3DSを行うかどうかを判定します。
3DSを用いることで、繰り返し歯槽膿漏(歯周病)にかかってしまうという方だけでなく、虫歯になりやすいという方にとって有効な予防な方法となります。
3DSの費用は、自費治療となります。マウスピースの製作費用は約1万5千円~、3DSの治療費が約1万円~となります。3DSの治療は、平均して2回行います。
3DSの治療を、受けることが出来る歯医者はまだ多くありません。可児市や多治見市には、3DSを受けることが出来る歯医者がいくつか出てきています。歯茎の腫れや歯槽膿漏(歯周病)に悩まれている方は、歯医者(歯科)を選ぶ時に、3DSの治療が可能かどうかを選ぶ基準にするとよいでしょう。