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金属アレルギーでもインプラントは可能?
金属アレルギーですが、
インプラントはできますか?
近近年TVや新聞、雑誌などで、たびたび「金属アレルギー」をテーマにすることが増えてきました。
代表的なものでいえば、女性の場合、身に着けている金属製のネックレスや指輪、ピアスなどの影響で、触れている皮膚が赤くただれてしまったり、腫れあがってしまったりします。
男性の場合でも、金属製の時計を身に着けている方であれば、夏場の汗のかきやすい時期に皮膚が痒くなったりすることもあると思いますが、それも一つの金属アレルギーの症状です。
人間は、だ液や汗などと金属が一定時間接していることで、金属がイオン化されていきます。そのイオンが体内物質(たんぱく質)と結合し、体内では免疫システムが作動してしまいます。これが金属アレルギーの始まりです。
その後、何度も同じ金属イオンを取り込まれていくと、個人差はありますが、ある時を境にしてアレルギー反応が出て皮膚炎となるのです。
汗などの体液により
金属がイオン化します
イオン化した金属は
皮膚や粘膜を通過
たんぱく質と結合し
体が異物と認識
免疫システムが作動
免疫システム作動後、何度も同じ金属イオンが取り込まれると
アレルギー反応(炎症やかぶれ)の症状が
突然発生する可能性があります
また、金属アレルギーを説明する上で欠かせないのが、発症はいつなんどき起こるかわからない点です。10代であろうと、50代であろうと、ある日突然発生する可能性はあります。金属アレルギーと皮膚の親和性次第ということになります。
ここまでは皮膚と金属アレルギーの関係性でしたが、お口の中と金属アレルギーの影響も最近様々なところで取り上げられています。
1つが虫歯治療などで使用される銀の詰め物や銀歯であり、もう1つは今回のテーマであるインプラントです。
一般的な歯科医院で、虫歯治療(歯科治療)の詰め物と呼ばれる充填物やかぶせ物、ブリッジと呼ばれる橋渡しのかぶせ物も奥歯の場合、保険適用では銀歯と呼ばれる合金となり、金、銀、銅、錫、亜鉛などいろんな金属を含みます。金歯と呼ばれる金合金であるゴールドの詰め物、被せ物にも、金以外の金属も含まれるのです。
歯科用合金に含まれるこう言ったいろんな金属がアレルギーの原因となってしまうことがあります。そのため、最近では、矯正の治療方法(歯列矯正)でも、金属を使わないマウスピース矯正が人気となっています。前歯だけの部分矯正でもマウスピース矯正(iGO)が増えてきています。
インプラント治療では、大きく分けて2種類の歯科治療用金属を使用します。1つが歯の根っこの役割を果たす部品(フィクスチャーと呼ばれる人工歯根)で使用します。もう1つは人工の歯を取り付ける部品(アバットメント)です。
歯科医療の中でもインプラント治療の歴史は古く、誕生してから70年を超えています。
最近では、この2つの部品部分には、医療用の純チタンを使用することが増えています。この医療用チタンは、特殊な効果により金属イオンが溶け出さないというメリットがあり、健康面(生体親和性)で優れた安全性の高い治療環境に配慮した素材です。
この医療用チタンは、歯科治療でのインプラントだけではなく、その他の医療機関などの使用されるほど認知度があがっています。
例えば、人工関節やペースメーカーなどでも広く使用されています。
また、上記の2つ以外にも、上部構造をセラミックやジルコニア、ハイブリッドセラミックなどの補綴物を使用することでも金属アレルギーを防ぐことができます。これをメタルフリー治療とも呼びます。
インプラント治療では、金属アレルギーなどの健康面(生体親和性)を考えて治療法を選ぶだけではなく、審美性も優れた素材(セラミックやジルコニア、ハイブリッドセラミックなど)を選択することも一般的です。自分に合ったものは何か?歯科医師や歯科衛生士にも相談してみましょう。
歯科で用いられる金属でのアレルギーでは、お口の中でみられる症状は多く2つです。
1つが扁平苔癬(へんぺいたいせん)という症状です。
扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、口内炎とは異なり、白色の線条が口の中にできたり、炎症になり赤く腫れてしまう病気です。自覚症状も様々で、食事や会話中に違和感を感じたり、歯磨き中に痛みを感じるなどがあります。
もう2つが手足の丘疹などの症状が認められます。症状とすると、手足に隆起した小さな丘疹がみられ、かゆみが出るのが特徴的です。
チタンの有効性については理解していただけたかと思いますが、中には、チタンに対してアレルギーを持たれる方がいるのも事実です。
使用する金属の中でも、金属アレルギーが起きる可能性は低く、安全性や身体との親和性は高いものの、リスクは0%でないということです。
万が一のことを考え、インプラントの手術までに皮膚科クリニックと連携をして、金属アレルギーのパッチテストという検査を実施することも推奨しています。検査後には、患者さんごとに異なる要因を分析することが可能です。主な原因要素は第二水銀・硫酸ニッケル・塩化パラジウムです。
現在のインプラントの治療では、顎の骨に埋入するフィクスチャーは、ほとんどの場合でチタン製のものを使用することが多くなっています。
当院でもその中でも、多くのインプラントドクターの中でも高い評価を受けている世界トップシェアメーカーであるストローマン社(スイス)を使用しています。
ストローマン社インプラントは、50年以上の研修開発の歴史を持ち、現在までに世界で500万人以上の患者さんが使用していることで知られています。
※ストローマンジャパンサイトより抜粋治療費は、現在一本あたりインプラント埋め込みに23万円、上部構造(被せ物)に15万円の合計38万円となります。総入れ歯や部分入れ歯に比べて、割高に見えるかもしれませんが、これまでインプラント治療を受けられてきた患者さんの予後を見ていると、間違いなくプラスの方向に進んでいると感じています。(もちろんメンテナンスにも通っていただいております。)
インプラントは保険適用外となりますが、掛かった費用が医療費控除の対象にもなるため、歯科医師などにご相談いただければと思います。
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